春号です(笑)
KC4H0689
 おかげさまで忙しく、ホントに季刊っぽくなってますが。


春と言えば、2年に一回、病院に掛かる時やお薬をもらうときの料金体制が変わる、
「報酬改定」
というものがあります。

今年の春がそれに当たり、
薬局でも「調剤報酬改定」の対応でバタバタしておりました。


今回の調剤報酬改定で新たに出来て、話題になってるのが、
「かかりつけ薬剤師加算」
というもの。

ざっくりいうと、
自分のかかりつけ薬剤師を1人に決めて、
その薬剤師に手間賃を支払ってお薬を管理してもらう、というもの。

あちこちの病院にかかってる方なら、それぞれのお薬を一元管理してもらう事で、
例えば、飲み合わせの悪い組み合わせや、体質に合ってないお薬が無いかをチェックしてもらう事が出来たり、
より、細かい要望にも 応えてもらう事が出来るようになります。


話しは一旦変わります。

私は、元々は自動車整備士として働いていたので、クルマの話し。

例えば、なにかクルマを修理に出すとしたら、
メーカーのディーラーか、個人の町工場か、
と言われると、ディーラーを選ぶ方が多数なんです。

確かに、ディーラーの方がしっかりとした対応をしてくれそうなイメージはあります。
でも、
実はディーラーには、熟練の整備士は意外と少なく、(出世して事務職になってしまうので)
若い、未熟な整備士も沢山いるという事。
逆に、町工場は、独立出来るような腕を持った、熟練の整備士さんがやってる場合が多いです。

「どっちがいい」
という話ではありませんが、
イメージだけでどちらかを選んでしまうのは、少し乱暴です。
もちろん、ディーラーにはディーラーにしかない設備があったりするし、
町工場でも、腕の悪い、愛想の悪いお店はあります。

要は、
自分が安心して任せられる、信頼できるお店を選ぶべきだ、という事。


それを踏まえて、病院にも同じことが言えます。

総合病院には、医師の他、看護師さんや検査技師、受付事務の方など、
スタッフがたくさんいます。
やはり、ベテランも多くいますが、
大学を卒業したて、医療事務の通信教育受けたばかり、のような未熟な方も沢山いる、という事。
もちろん、専門的な検査が出来たり、総合病院に行くメリットは沢山ありますが、
「総合病院」というだけで手放しに安心していても仕方がないのです。

個人病院は、町工場と同じ、
独立してもやっていける、スキルの高い医師が開業してることが多いです。
もちろん、そうでない医院、もありますが。

要は、
あなたが通っている病院には、信頼できる医師やスタッフがいますか?
通うようになって、通う前より調子はいいですか?
という事。


そして、薬局。
薬局には、ディーラーと町工場ほどの違いは、あまりありません。
ですが、
最近では
「大手チェーン薬局」と「個人薬局」
に分けられ、
「大手チェーン薬局」
が、なにかとやり玉に挙げられることが多いです。

実は、「かかりつけ薬剤師制度」も、
この辺りに関連しているような感じもしますが・・・。

大手チェーン薬局では、薬剤師がたくさんいるので、
毎回同じ薬剤師に説明を受けたくても、なかなか難しいものです。

小さな薬局では、だいたい同じ薬剤師が対応するので、
「かかりつけ薬剤師」
になってもらいやすいのです。

ただ、
常に同じ薬剤師からだけお薬を管理してもらうのは、
メリットもあるかもしれませんが、デメリットもあると思います。

例えば、その「かかりつけ薬剤師」が、
何かの問題に気付かずにスルーしてしまえば・・・
他で気付くチャンスはぐっと少なくなります。

元々、院外処方というやり方があるのは、
多くの目に触れて、ミスを減らして安全性を高めましょうという事。

その点が、今回提唱された「かかりつけ薬剤師制度」では、おろそかになってしまうのではと懸念されます。

ごくまれにですが、
患者さんが持参したお薬手帳をみて、
他の薬局から交付されている内容の誤りに気づく事があります。
逆に、
私のように一人で対応している場合、誰か、他の薬局の薬剤師でもいいので、
どこかでチェックしてもらいたい、という思いは、常にあります。


何でもかんでも、「はい」「いいえ」の2択で選ぶのは危険です。
自分の「かかりつけ薬剤師」を決めたからと言って、
調剤報酬の制度にのっとって、報酬を支払って、
100%その薬剤師に託すこともないと思うのです。

そういう意味では、
今、大手チェーン薬局にいつも行ってて、お気に入りの薬剤師がいたなら、
そんな制度に関係なく、自分の「かかりつけ薬剤師」と思っていただければそれでいいのです。

もちろん、
私の事を「かかりつけ薬剤師」と思っていただいて、
他の薬局で交付されたお薬の事を、ついでに聞いていただいてもいいのです。

「国」では、薬局を選んで一つにしましょう!
と言ってますが、
あっちの病院に行っても、こっちのクリニックに来ても、ここの薬局、
というのも、なかなか難しいもんです。


車検はディーラーだけど、ちょっとした修理や板金はここの工場、とか、
大きな検査は総合病院だけど、普段は好きな○○先生のところ、
のようなことは、良くあると思います。


「何かあったら、気軽に聞ける」
というお気に入りの薬局、薬剤師を見つけておけば、
あとは、その都度、便利なところでお薬をもらってもいいんではないでしょうか?

制度にとらわれず、そんなカタチで使って行けるのが、
本当の「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」
ではないでしょうか?